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優秀賞に輝いた北大野球部の上田拓朗さん(左)

 プロ野球はもとより、アマチュア球界にも広がりつつある、データを分析して選手らに助言する「アナリスト」。そんな活動に興味を持つ高校生から大学院生までを対象に発表内容を争う「第4回野球データ分析競技会」が23日、東京都内で開かれ、北大野球部の1年生でアナリストを担当する上田拓朗さん(19)が次点の優秀賞に輝いた。

 全日本野球協会などの主催。過去に優秀賞に輝き、その後、プロ野球のロッテでアナリストに就いた人もいる大会だ。1チームは3人までで、最優秀賞に選ばれた立命館大の大学院生ら6チームが参加した。「野球の競技力向上」を目的にテーマを設定し、東京六大学野球リーグでのデータをつかって分析し、独自性などを競った。

 1人で参加した上田さんは野球で一番難しいのは継投ではと見立てて、「ふさわしい(継投の)タイミングとは」をテーマに選定。単打や四死球などの後に継投した割合や失点率などを用いて、継投のタイミングを考察して高い評価を得た。

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 札幌西高時代まで選手だった上田さんは「データが好きで助言するのが向いているのでは」と、北大野球部にはアナリストとして入部。大リーグで普及している野球専用の計測器「ラプソード」を使っており、先輩のアナリストや動作解析の本から学んで知識を深めてきた。

 北大は2010年の全国大学野球選手権でベスト8に入り、国公立大の快進撃として神宮をわかせたことがある。上田さんの夢は1部リーグで優勝し、「札幌六大学野球リーグ」を有名にすることだ。「高い評価をいただけてすごくうれしい。野球部が強くなるための活動だと思っているので、今回、学んだことをチームに持ち帰ってやっていきたい」と話した。

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